しゅいその「140文字だけじゃ伝えられない思い」

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NEUTRINOオリジナル曲『キズナリモート』の紹介と、コロナ禍と

はじめに

東北きりたんのオリジナル曲ができたので簡単に楽曲紹介を書いてみます!ミクさん以外のシンガーの紹介記事を書くの、意外なことに初だったりします。(ささらちゃんの楽曲紹介もいつか書きたいですね・・・)

東北きりたんです

「NEUTRINO」という音声合成ソフトをご存じでしょうか。もしかしたら「AIきりたん」の愛称のほうが馴染みがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。東北を応援するキャラ「東北ずん子」の妹、「東北きりたん」の歌唱データベースが使われています。今回の曲では「AIきりたん」に初めて歌をお願いしました。

なぜ東北きりたん?

なぜ、ミクさんでもささらちゃんでもないのか。

キズナリモート』は歌詞にもあるように、このコロナ禍で大切にすべきことを歌っています。不要不急の外出自粛が叫ばれる中、「家で過ごす時間」が見直されるきっかけになりましたね。東北きりたんはかなりインドア趣味のようでして、「おうち時間」の大切さを歌うのならまさに彼女だと思い、歌をお願いしました。

「AIきりたん」が登場したのが2020年2月ごろ。ちょうど新型コロナウイルスで世間がざわつく中、音声合成界隈に明るいニュースを運んで来てくれたのが彼女ということもあり、運命的なものを感じたのも理由の一つです。

AIシンガーって?

VOCALOID」など従来の歌唱ソフトでは、歌手の歌い方や特徴などを細かく打ち込む必要がありました。いわゆる「神調教」は、これらの調整が上手い曲に対して呼ばれていました。

一方AIシンガーは、AIが膨大な数の歌声を聴くことで、その歌い方や特徴などを機械学習していきます。「神調教」の部分は歌唱ソフトのほうが勝手にやってしまうのですね。これがAIシンガー(AI歌唱)なのです。

以下はNEUTRINOに渡した実際の楽譜です。読み取るのはメロディー、歌詞、休符、ブレスくらいなもので、歌い方なんて一切書いてません。なのに、こんなに上手に歌ってくれるのです。すごい技術ですよね。


※メインボーカルに使用したMusicXMLファイル。動画の説明文にあるURLからダウンロードも可能

この曲がうまれたきっかけ

当初はソーシャルディスタンスとかステイホームとかを歌う曲になる予定でしたが、途中から相手を思いやる大切さを綴った歌詞になっています。ちょっとその経緯を書いてみます。

コロナ禍によって今までとは違う生活様式を強いられるようになりました。もちろん私も例外ではありませんでしたが、元々インドア派ということもあり、不要不急の外出を控えることはそこまで苦ではありませんでした。

私を一番苦しめたのは、コロナ禍で人同士の衝突を伝えるニュースでした。感染した人へのいじめ、遠方から移動してきた人への嫌がらせ、営業している店舗への脅迫・・・苦しい状況下で助け合わなければいけないはずなのに、お互いを攻撃しているのを見て私はとても悲しくなりました。感染対策ももちろん大切ですけれど、それ以上に「他人を思いやる気持ち」の重要性に気付かされました。

そんなわけで、「外出自粛しましょう!」とか一方的に呼びかけるような歌ではなく、コロナ禍で心が疲れてしまった人にそっと寄り添いたい、やさしい歌に仕上げることを意識しました。

キズナ」について余談

余談ですが「キズナリモート」という変なタイトル、これを翻訳するときに困ったのですが、中国語には「絆」に該当する言葉がありませんでした。

中国語で「絆」は束縛するものとか、動物を結ぶ綱とか日本語のそれとはまったく違う意味らしいのです。そこで「Kizuna遠程」と、日本語そのままで記載することにしました。これであれば日本語の響きがそのまま伝えられますし、意味も損なわれずに済みます。

英語についても「Kizuna Remote」と、中国語に倣って「絆」はあえて訳さずに表記しています。(英語では「bonds」などと訳すこともできます)

最後に

この曲はいつか忘れ去られてしまうかもしれませんが、それはこのような曲なんて必要ない世の中になったときなのかもしれません。一日でも早くそんな日が来ることを私は願っています。

ただ今だけは、他人を思いやる大切さを忘れずに過ごしていたいものですね。